サンノゼ日本町の友愛会は、日系三世の学生が二世と協力し、高齢化する一世をケアする団体を設立したことから始まった。現在はシニア向けの様々なプログラム、デイケアサービス、会食、介護者支援、在宅高齢者の送迎や配食サービスを提供し、毎年500人が参加し5キロを走る「日本町ラン」や恒例の餅つきなど、コミュニティにとって重要なイベントも主催している。設立から50年、友愛会は地域住民にとって不可欠なパートナーとなっている。
アジアン・フォー・コミュニティ・アクション(ACA)は1970年、サンノゼ州立大学の三世の学生たちが二世コミュニティの人々と力を合わせるために結成、元メンバーのダン・クボさんとクリスさん夫妻によると、「一世プロジェクト」を発足し一世へ奉仕した。多くの三世が卒業と同時に去り、クボさん夫妻は74年にサンノゼを離れることに。ACAが解散する前に、2人は餅つきの募金活動で得た2000ドルをコミュニティの組織に残した。クリスさんは「みなさんが時間と労力を惜しまず、活動を企画し、一世の世話をしてくれた。とても心温まるものでしたし、誰かがやってくれるのだと思うと心強く、安心して任せることができました。それが50年以上も続くとは想像もしていませんでした」と語る。
アーティ・タダシ・カメダさんが組織作りを呼びかけ、日系銀行の支店長、弁護士、ソーシャルワーカーも会議に参加、彼らの専門知識から組織はすぐにまとまり、コミュニティ全体から代表者が集まった。「夜遅くまで、様々な世代の人たちが意見を出し合い、友愛会が何をすべきかを考えていました」。80年代に理事会に参加した現理事長のジェーン・カワサキさんは振り返る。
80年代末には州から助成金を得てシニアセンターの建設用地を購入するも十分な建設資金はなく、当時の事務局長トム・イズさんは資金繰りに奔走した。
サンノゼの日系銀行、地域住民の支援を受け、93年にシニアセンターは完成した。2010年にはアキヤマ・ウェルネス・センターがオープン。サンノゼ州立大学の微生物学・免疫学の教授で、財産の一部を友愛会に遺した故ハジメ・ジェームズ・アキヤマ博士の名を冠した施設では現在、ズンバなどのエクササイズ教室など、より活動的な若いシニアのためのアクティビティを提供している。
日英両語の介護者支援グループを立ち上げたのは03年。当時の事務局長で現在もボランティアで携わるウェズリー・ムコウヤマさんは「高齢者、特に認知症で介護が困難な人、そして介護者にとって最良のプログラムは、介護者に休息を提供するデイケアサービスであり、介護者支援グループです。介護者の75%が一度はうつ病になると言われ、非常にストレスの多い状況なのです」と主張する。
現事務局長のジェニファー・マスダさんによると、以前は会食に参加していた高齢者の中には、新型コロナウイルスの流行以来、配食サービスを続けている人も。パンデミックの影響で多くの高齢者が孤立していることから、マスダさんは組織が現在直面している最大の課題は高齢者の移動手段であり、「高齢者の多くはもう車を運転しないと決め、家に閉じこもっている方もいます」と懸念する。
前事務局長ライアン・カワモトさんは、「高齢者人口が増加し、コミュニティ形成の機会がますます必要とされる中、友愛会はサンノゼ日本町だけでなく、ベイエリア・コミュニティ全体の将来と健全性にとって不可欠な存在です」と述べる。
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