日系アメリカ人によるワイン造りの遺産を祝う第1回日系ワインサミットが6月29日、ロサンゼルス市内リトル東京の日系文化会館で開催された。北カリフォルニアを拠点とする日系ワイン&ヴァイン・グループが主催し、150人を超える参加者は8人の日系ワイン専門家によるパネルディスカッションやワインの試飲を楽しんだ。
カリフォルニアのワイン造りに多大な影響を与え、「ブドウ王」と呼ばれた薩摩藩士の長澤鼎(ながさわ・かなえ)は1875年にソノマ郡に定住しファウンテイングローブ・ワイナリーを経営、1900年代までにカリフォルニアワインの3分の1以上を生産したと言われている。フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーに勤務する長澤の子孫のエイジ・ダニエル・アカボシ氏とハートフォード・ファミリー・ワイナリーのジェニファー・トゥサ氏は長澤の功績や歴史的遺産についての洞察を披露した。
ミカミ・ヴィンヤーズのジェイソン・ミカミ氏は、1896年にローダイに移住した農民の祖父について語った。第二次世界大戦後、強制収容所からローダイに戻ると一家は15エーカーのブドウ畑を始め、ミカミ氏は2005年にそれを引き継いだ。ランゲ・ツインズ・ワイナリーのデービッド・アキヨシ氏は、カリフォルニア大学デービス校醸造学部の研究員であった父を、ウッドブリッジ・ワイナリーで著名ワインメーカーのロバート・モンダヴィとともに働きワイン醸造ディレクターを務めるなど、自身の25年のキャリアの「先導者」として重きを置いた。
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーのワインは、岸田文雄首相と安倍晋三元首相がホワイトハウスを公式訪問した際に振る舞われたことで知られ、日本人女性ワインメーカーのアキコ・フリーマン氏はどのようにワイン造りを学んだかを語った。35年のキャリアを持つベテランのワインメーカー、バイロン・コスゲ氏は日本の伝統とワイン造りの複雑さの類似点を示した。
オレゴン州のウィラメット・バレーで父親と共にエフィーユ・ワインズを設立したジェシカ・モゼイコ氏と、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーでワイン醸造ディレクターを務めるカーティス・オガサワラ氏の若手は革新的なアプローチと日系ワイン造りの未来への抱負を語った。
参加者はケール・ワインズ、カズミ・ワインズ、サクラ・ワイナリー、シックス・クローブス・ワインズ、サンセット・ススーン、ワンダーワーク・ワインズ、ヤマチャン・ワインなど、他の日系ワイナリーのワインも試飲、ワイン造りの伝統の多様性と質の高さに対する理解を深めた。
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